ガラス加工技術(切断・穴あけ・研磨・接合・コーティング)について

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2024.09.18

ガラスの加工

ガラス素材の可能性を広げる「ガラス加工技術」

現代社会とガラス加工技術

透明で美しく、時に芸術的な輝きを放つガラス。しかしその魅力は見た目だけではありません。ガラスは、実は現代社会を支える様々な製品において、重要な役割を担っています。
たとえばスマートフォンやタブレット等の通信機器には欠かせないデータセンタや基地局に使われている光学部品、テレビやパソコン等、家電製品に組み込まれている半導体製造装置向けの光学デバイス、さらには医療機器や自動車部品に至るまで、私たちの身の回りにはガラスで作られた製品があふれています。

このように、ガラスに多様な機能と形状を与え、製品の可能性を大きく広げているのが「ガラス加工技術」です。
切断、穴あけ、研削・研磨、接合、コーティングなど様々な加工をガラスに施すことで、用途に応じた最適な形状と特性を持たせることができます。近年では、ナノレベルの精度を誇る超精密加工や、レーザーを用いた微細加工など、高度な技術開発も進んでいます。

この記事では、現代社会において必要不可欠な技術となったガラス加工の種類や特徴、そして未来への展望について解説していきます。

ガラス加工技術の主な種類

ガラス加工技術には様々なものがあります。ここでは、そのうちの代表的なものについて見ていきましょう。

1.切断加工

ダイヤモンドカッターやウォータージェットなどを使用し、ガラスを希望の形状に切断します。窓ガラスや鏡、ディスプレイなど、様々なサイズ・形状の製品に適用可能です。

2.穴あけ加工

ドリルやレーザーを用いて、ガラスに穴を開けます。電子部品を組み込むための基板や、光ファイバーを通すための穴など、用途に応じて様々な径や形状の穴あけが可能です。

飯山特殊硝子では、テーパー形状の穴開け加工や、「最小でφ0.1mm」という超精密な穴あけ加工にも対応しています。

3.研削・研磨加工

工作機械で研削しただけでは、ガラスはスリガラス状の面になります。このスリガラス面に研磨剤を用いてガラス表面を研磨する事で、滑らかで透明度の高い状態に仕上げます。高精度な平行平面基板、レンズやプリズム、など、高い精度と透明度が求められる製品に用いられます。

飯山特殊硝子は、研磨加工によってパイプ形状のガラス管を作る「内径研磨」や特殊形状の研削・研磨加工も得意としています。

4.接合加工

オプティカルコンタクトや紫外線硬化樹脂などを用いて、ガラス同士を接合します。フローセルや実験用光学部品、ビームスプリッタ―、ガラス製治工具等、様々な用途で接合技術が活用されています。

5.コーティング加工

ガラス表面に、薄膜を形成する加工です。反射ミラーや反射防止膜、ITO膜、撥水コーティング等、様々な機能を付与することができます。光学デバイスだけではなく、スマートフォンやメガネのレンズ、鏡など、私たちの身の回りの多くの製品にも活用されています。

飯山特殊硝子では、最新の設備と熟練技術者の技により、難易度の高いガラス加工のご要望にお応えします。少量多品種を得意としており、可視化部品や内径研磨、特殊形状加工など、1個からのご要望にも柔軟に対応いたします。

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ガラス加工技術の応用事例

これまでご紹介したガラス加工技術は、私たちの身近にある様々な製品に活かされています。ここでは、具体的な製品を例に挙げながら、それぞれの製品にどのようなガラス加工技術が用いられているのかを見ていきましょう。

1. 放送機器

ディスプレイや放送機器に使われるカバーガラスは、放送機器の高解像度化が進む中で、より高精細な研磨基板が求められます。
より鮮明な画像をお届けする為の手助けとして、飯山特殊硝子では、平滑性の高い研磨技術でお客様のご要望にお応えしております。

2. 自動車

自動車メーカーの研究機関では、内燃機関の燃焼実験において、シリンダーをガラスで製作して可視化実験を行っております。

飯山特殊硝子では、ガラスの円筒研磨技術と内径研磨技術を持ち合わせておりますので、精度の高い内外研磨加工を行う事が可能です。

3. 測定機器

光を用いた計測機器や、画像を投影して計測する測定機にもガラスの光学部品が欠かせません。より正確な精度が用いられる測定機器は、厳しい仕様の要求と安定した品質が求められます。光を拡散する為の表面を粗くするブラスト技術や、位置決め精度を上げる為の穴あけ技術が採用されております。

4. 医療機器

バイオ研究を行っている医療機関や研究所では、様々な薬品を使用する為に、耐薬品性に優れたガラスを用いた実験が行われております。光の反射を押さえ、透明度の高い研磨面が求められます。
また、体内の様子を観察する内視鏡には、先端に高解像度の小型カメラを搭載するために、先端には小径のガラス基板が搭載されています。体内を観察するので、高屈折で透明度の高いガラス基板が必要で人体に入るのでチッピングのない高品質な加工技術を提供いたします。

ガラス加工技術の展望

目覚ましい進化を遂げる情報化社会、省エネルギー化や環境問題への意識の高まり、医療技術の高度化など、現代社会は常に変化を続けています。それに伴い、ガラス加工技術にも、より高度な技術や新たな機能への期待が高まっています。

超精密加工技術の進化

スマートフォンやウェアラブルデバイスの小型化・高機能化に伴い、ナノメートルレベルの精度でガラスを加工する技術が求められています。レーザー加工やイオンビーム加工などの技術が進歩し、より微細な回路パターンや3次元構造をガラス上に形成することも可能になりつつあります。

新素材への対応

従来のソーダライムガラスに加え、耐熱性や強度、光学特性などに優れた特殊なガラスが次々と開発されています。これらの新素材に対応した加工技術の開発も進んでおり、より高機能な製品の実現に貢献しています。

複合化による高機能化

ガラスに金属や樹脂、セラミックスなどを組み合わせることで、それぞれの素材の特性を活かした複合材料の開発が盛んに行われています。これにより、異なる素材を精密に接合する技術や、複合材料の特性を最大限に引き出す加工技術の進歩が期待されます。

環境負荷の低減

環境問題への意識の高まりを受け、ガラス加工プロセスにおける環境負荷低減への取り組みも重要性を増しています。特に、加工時に発生する廃棄物の削減やリサイクル、省エネルギー化など、環境に配慮した技術開発が求められます。

自動化・効率化

人手不足やコスト削減の観点から、ガラス加工の自動化や効率化も進展しています。AIやロボット技術を活用した高精度かつスピーディーな加工システムの導入により、生産性の向上が期待されています。

このようにガラス加工技術は、常に時代のニーズとともに進化を続けています。今後、5G/6G通信、IoT、AIなどの技術革新がさらに進展していく中で、ガラス加工技術は、その可能性をますます広げ、未来社会を支える基盤技術として発展していくでしょう。

飯山特殊硝子のガラス製品は、半導体、通信、医療、航空宇宙、自動車などの新製品開発に必要とされており、開発現場からのレベルの高いリクエストにお応えしています。

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おわりに

今回は、現代社会において必要不可欠な技術となった「ガラス加工」について、種類や特徴、応用事例から未来への展望まで幅広く解説してきました。
ガラスは、古くから私たちの生活に寄り添ってきた素材ですが、近年では、技術革新によってその可能性を大きく広げています。スマートフォンやタブレット等の通信デバイスや自動車、医療機器等、現代社会になくてはならない製品の多くにも、高度なガラス加工技術が活用されていることをご理解いただけたのではないでしょうか。
より高機能な製品、より複雑な形状、より環境に配慮した製造プロセスなど、ガラス加工技術は、様々な分野で未来社会への貢献が期待される技術です。ナノテクノロジーや新素材開発などの進歩により、ガラス加工技術は今後さらに進化していくことでしょう。

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