「ガラス基板」とは?生成AI時代を支える半導体の進化

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2025.09.30

ガラスの加工

【生成AI時代を支える】半導体の進化に不可欠な「ガラス基板」とは?

 

生成AIの急速な進化や第5世代移動通信システム(5G)の普及により、現代社会ではこれまで以上に高速かつ大容量のデータ処理が求められています。こうした技術革新の鍵を握るのが「ガラス基板」です。
本記事では、今、ガラス基板が注目されている理由について、飯山特殊硝子ならではの独自の強みにも触れながら詳しく解説します。

ガラス基板とは?

ガラス基板とは、その名の通り、基板のコア材料にガラスを用いた半導体パッケージ用の基板です。

従来、半導体チップを搭載する基板には、安価で機械的強度に優れた樹脂製の基板(ガラスエポキシ基板など)が主流でした。しかし、半導体の高性能化に伴い、樹脂基板の性能では応えきれないニーズが高まり、新たな代替材料としてガラスが注目を集めています。

現在、ガラス基板は、AI向け高性能プロセッサ、データセンター向けサーバー、5G/6G通信機器、光通信部品など、最先端技術分野で幅広く活用されています。特にガラス基板の一種である「ガラスコア基板」は、半導体チップをPCB基板と接続するためのICサブストレートの一種として重要な役割を担っています。

ガラス基板が注目される背景

なぜ今、ガラス基板がこれほどまでに注目を集めているのでしょうか。その背景には、半導体業界が直面している技術的な課題と、社会的ニーズの高まりが挙げられます。

樹脂基板の限界

半導体の性能向上は、「ムーアの法則」に従い、回路の微細化・高密度化によって実現されてきました。しかし、半導体の微細化と高密度化が進む中、従来の樹脂製基板では技術的な限界に直面しています。

最大の課題とされるのは、熱膨張による歪みの発生です。シリコン製の半導体チップと樹脂基板では熱による膨張の度合いが異なり、動作時に発生する熱で基板に反りや歪みが生じてしまうのです。また、樹脂材料は表面の平坦性にも限界があり、より微細な回路を正確に形成する上での障壁となっていました。

生成AI・半導体の需要拡大

ChatGPTをはじめとする生成AIや、高度な計算を必要とするハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)の分野では、膨大なデータを瞬時に処理するために、チップ間の超広帯域なデータ転送が不可欠です。

従来の樹脂基板では、電気信号の損失が大きく、高速化への対応が困難でした。ガラス基板は電気的特性に優れ、データ転送時の信号の劣化が少ないため、こうした生成AI向け高性能半導体の性能を最大限に発揮させることができます。

ガラス基板のメリット

ガラス基板は、従来の樹脂基板が抱える課題を克服し、半導体の性能を飛躍的に向上させる多くのメリットを備えています。

熱膨張率がシリコンに近い

ガラス基板の最大の利点の一つは、熱膨張係数(CTE)がシリコンに近いことです。そのため、温度変化による歪みが抑えられ、チップとの接続も安定します。

従来の樹脂基板と比較して、熱膨張による歪みを半減できるため、大面積化・高集積化を実現しても反りや変形が発生しにくく、製造歩留まりの向上にも貢献します。

平坦性が高く微細加工に適応

ガラスは樹脂に比べて表面の平坦度が格段に高いため、より細い配線や狭い間隔での回路形成が可能です。米Intelによると、ガラス基板を用いることで配線密度が約10倍になると見込まれています。

ガラス基板が持つこの高い平坦性は、高密度実装を可能にし、パッケージ全体の小型化や性能向上に大きく貢献します。

高速通信・高周波対応

ガラスは絶縁体としての性質が樹脂よりも優れているため、電気信号の損失(誘電損失)が少ないという特長があります。これにより、高周波信号を扱う高速通信においても、信号の劣化を最小限に抑えることができます。

電気信号と光信号を融合させる「光電融合技術」との親和性も高いことから、将来的には、AI使用時の消費電力低減への貢献も期待されています。

高温環境でも安定

ガラスは高温環境下でも物性が安定しており、樹脂基板では動作できないような温度環境でも安定した性能を発揮します。熱伝導性も高いため、発熱量の多いデバイスに適しており、効率的な放熱が可能です。

耐環境性が高く、厳しい条件下でも長期間安定した性能を維持できるガラス基板は、高い信頼性が求められる分野での利用に最適です。

ガラス基板の課題と今後の展望

多くのメリットを持つガラス基板ですが、本格的な普及に向けてはいくつかの課題も残されています。

最大の課題は製造コストです。特に、基板の表と裏を電気的に接続するための微細な貫通穴「スルーガラスビア(TGV)」の加工は、特殊な装置や複雑な工程が必要で、コストを押し上げる要因となっています。また、ガラスは硬くてもろい(脆性)材料であるため、加工時にマイクロクラックと呼ばれる微細な亀裂が発生しやすく、歩留まりの向上も重要な課題です。

しかし、既存の液晶パネル製造技術のインフラ活用により、こうした課題も徐々に克服されつつあります。今後は、生成AIを支えるデータセンターや次世代通信インフラ向けの高性能半導体を中心に普及が進み、さらなるコスト削減や効率化も期待されています。

飯山特殊硝子の強みと実績

次世代の半導体パッケージとして期待される「ガラス基板」。その性能を最大限に引き出すためには、ガラスという素材をナノレベルで精密に加工する技術が不可欠です。
私たち飯山特殊硝子は、創業以来培ってきた超精密加工技術で、この最先端分野のニーズにお応えしています。

高度な薄物加工技術

当社が得意とするのは、ガラスの両面を極めて高い精度で平行に磨き上げる「平行平面基板」の加工です。
λ/20以下の超高精度な平面度を実現する研磨技術、製品の品質を保証する高精度な測定技術、そして創業以来磨き続けてきた精密加工のノウハウ。これらの技術を融合させることで、ガラス基板に求められる「薄さ」と「平坦性」を最高レベルで実現します。

通信分野での活用実績

当社の平行平面基板は、すでに最先端の通信分野で活躍しています。光トランシーバーや光アイソレーターといった光通信部品に採用され、生成AIやクラウドサービスを支えるデータセンターや5G基地局の膨大なデータ通信を根底から支えています。
この実績は、当社のガラス加工技術が、次世代半導体に求められる高速・大容量通信の品質要求をクリアしていることの証です。

信頼される品質とカスタム対応力

先端半導体・通信分野で求められるのは、ミクロン、サブミクロン単位の極めて高い平坦度と精密度です。
飯山特殊硝子では、お客様の厳しい仕様要求に応えるため、高い純度を持つ石英ガラスをはじめ、多種多様なガラス材料(硝材)を取り揃え、最適な加工方法を提案します。長年の経験で培った「人間の目」によるチェックと、最新の測定機器を組み合わせることで、お客様に最高の品質をお届けします。

まとめ

「ガラス基板」は、ムーアの法則のその先を見据え、生成AIや次世代通信といった未来のテクノロジーを実現するために不可欠なキーテクノロジーです。実用化に向けた技術開発が世界中で進む中、その性能を最大限に引き出すためには、ガラスという素材の特性を熟知した超精密な加工技術が欠かせません。

飯山特殊硝子は、長年「平行平面基板」の加工で培ってきた薄物・超精密加工技術を強みとし、最先端の通信・半導体分野を支えてきました。これからもお客様の信頼できるパートナーとして、技術革新の最前線で社会の発展に貢献してまいります。

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